人生における不遇と希望

僕はAnderson .Paakが好きだ。「生まれ変わったらなりたい人物ランキング」で並み居るイケメン俳優達を押さえて堂々のNo.1に君臨する、それくらい好きだ。

 

そもそも彼が何者かというと、

フューチャリスティックでアーバンなソウル、ヒップホップ、ファンク、ジャズ、そしてダンスミュージックをシームレスに繋ぐ今の西海岸シーンを象徴する遅咲きのスーパースター 

https://wmg.jp/anderson-paak/news/81425/

らしい。

まあそんなん言われてもよく分からんし、僕は語彙力がまじでないのでこんな説明しかできないが、「めちゃくちゃおしゃれな音楽をやっている、ちょっと声の甲高い黒人ラッパー」だ。

 

聴いてもらったほうが早い。"DAPPER"という曲なのだが、完全にいま流行っているSIRUP的な、ビートにキーボードリフを乗せるおしゃれトラック、そこにAnderson .Paakのクセのある声とグルーヴィーなラップがアクセントとなっていて、特に何の問題もなく最高である。

www.youtube.com

 

音楽がかっこいいだけじゃない。服もめちゃくちゃおしゃれだ。僕はこんな服は着れないが、似合うならこんな感じにしたい。

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僕は彼のインタビューを読み漁ったのだが、どうやら彼の人生は順風満帆ではなかったようだ。「遅咲き」と紹介されている通り不遇な時期が長く続いた。

幼少期は父の苛烈なDVによって両親が離婚し貧しい生活だったようだし、20代前半で妻子を抱えながら職を失いホームレスだった時期もある。ホームレス生活か…正直どれくらい辛いか想像もつかない…。

 

僕はいま休職している。ブログなので詳しく書けないが、社内政治による左遷・黒い仕事・業務上の事故等々、サラリーマン生活で10年に1度経験するかどうかというレベルの不遇が詰合せセットになって、半年間で一気に降りかかった。そこからさらに上司からパワハラを受けてついに心が折れた。

気づいたら、頭がずーんと重くなって動かなくなり、常に胃痛と吐き気に苦しみ、手が震え、涙が止まらなくなっていた。

 

しかも、幸か不幸か妻が妊娠した。本当は万全の状態で働いて養いたいのに、体が日に日に動かなくなっていく。「朝目が覚めて自分が鬱で起き上がれなくなったらどうなってしまうのか?」と考えると怖くて仕方なかったし、その焦りが症状悪化を加速させた。

 

職場の同僚やTwitterの人に「いますぐ休め。後先考えるな」と言われ会社を休み始め、病院で「適応障害」という病名をいただき今に至る。たぶん早く休めていなければ回復1年コースまで悪化していたから、アドバイスしてくれた方々にはとても感謝している。

 

適応障害というものは、ストレスの発生源から一定期間距離を置けば治ると言われている。別に希死念慮もないし、休み休みだが転職活動もできている。そんなに症状は重くないらしい。

それでも、突然「自分には欠陥があって、今後働き続けることはできないのではないか?」という不安に襲われる。その不安は強烈な頭の重さや吐き気となって実体化し、活動不能状態から復帰するのに半日を要する。

 

Anderson. Paakの話に戻る。

ホームレスになった後、細々と趣味程度に続けていたドラマーとしての活動が実を結び仕事をもらう。そこからドラマーではなくラッパーとしての才能を開花させ、HipHop界の大御所Dr.Dreのアルバム"Compton"の客演に抜擢されて一躍脚光を浴び、ソロデビューしていまに至る。

 

また、彼は複雑な家庭環境ではあったが、家族に連れて行かれた教会でゴスペルを聴きながら音楽の感性を磨くことになった。これまでの苛烈な経験を歌詞にしている曲も多い。彼の音楽には不遇な環境の中で身に付けたものが息づいている。

 

僕の話。

この苦しい状況から抜け出す方法は、体を休めて回復し、転職活動を成功させる他なく、もはや自分の努力が介在する余地はない。面接なんて慣れれば流れ作業、そして最後は面接官との相性だ。神に祈るしかない。

いままで「知恵と努力で全て乗り越えられる」と思ってきた。だから「神頼み」という行為はとても心許ないのだが、それ以外に選択肢はないのだから仕方ない。

降りかかった不遇も、心を壊したことも、神様が僕をより良い場所に導く過程で必要不可欠であったと信じる。そうしなければ、いまの僕は正気を保つことができない。